表記を統一しましょう

学生が書いた論文を読んでいると、文中での表記が統一されていない場合がよくあります。例えば、ある段落では「法令遵守」と書いておきながら、別な段落では、同じ意味で使っているのに「コンプライアンス」と書いていたりします。推敲段階で修正するのをたまたま忘れていたのならば、まだいいほうです。問題なのは、「表記を統一しなければならない」という作法を知らない場合です。

「一つの論文の中では、表記を統一する」というのは、論文を書くときに守るべき基本的なルールです。もし、「法令遵守」と「コンプライアンス」の両方の表記が存在する場合は、「著者はこの2つの用語を別な意味で使用している」と読者は解釈してしまいます。また、「法令遵守」という表記を選んだ場合は、「法令順守」と書いている部分がないかをチェックする必要があります。辞書では同義であると見なされる表記であっても、もし統一されていなければ、「雑な論文である」と思われてしまいます。

なお、文献の題名、商品名、会社名などの固有名詞につきましては、原典に従って表記する必要があります。ですので、次の例文では「Express」の表記を統一する必要はありません。否、絶対に統一してはいけないのです。

「成田空港に到着した私は、横浜までの成田エクスプレスの切符をアメリカン・エキスプレスのカードで買いました。」



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